昨日の夜から降り続いた雪は、翌朝には止み日が雪に反射して一面の銀世界を作り上げていた。

普段なら、ああ、綺麗だなとまず思うかもしれない。

だがの場合、雪を見た瞬間『雪合戦だ』と子供の頃から抜けない感覚があった。

また同じ感覚の持ち主である沖田総司と藤堂平助は既に雪合戦を始めていて、原田左之助も初めは遠巻きから

眺めていたが、ついに参戦し始めた。

も雪合戦やるよね!」

と総司に言われ、もちろんと答え庭に飛び出そうとした。




その時ふと、ある部屋に目がいき、珍しく夜遊びに出かけなかった人物を思い出す。



「土方さーん、起きてます?」

と、返事がないまま襖を開けるとむすっとした顔でこちらを見上げる男、土方がいた。

「お前、返事する前に襖開けるのやめろっていつも言ってんだろ」

「かたぐるしいこと気にしちゃ駄目だよ。私と土方さんの仲じゃないですか」

「親しき中にも礼儀ありだ」




土方は机の上に散らばっている紙を片付け始めた。

その一つを隙を見て奪いは読む。




「雪降って 辺りは一面 銀世界・・・・・・・」




「あっ!馬鹿、おまっ・・・!!」

土方は焦るようにから紙を取り上げる。

「なんていうか土方さんって」

当たり前な句を詠みますねとは言わない。

梅の句のときもそうだが、違う意味で人気のある句なのだ。こういう土方の才能を潰したくないと

思うのは私だけではないとは思っている。

だから否定はしない。が、からかいの対象にはなる。



「ま、いいか。それより土方さんも雪合戦しようよ」

「しねぇよ。んなガキの遊びなんか」

「原田さんもやってるよ?」

「あいつを基準にするな」

そう言い違うことを始めようとする土方をなんとか参加させようと、こういう時には凄まじく頭の回転が

速くなるは、今回も悪知恵が働いた。


わかったと言い、縁台へ向かい大声で雪合戦している総司に話しかける。


「ねえ、土方さんの新しい俳句聞きたい?」

「新作!?聞きたーい!」

と総司は手を止め言い返す。二人は目が合うとニヤリと笑みを浮かべた。



もともと属性が一緒な総司は、わざわざ俳句作者の部屋前で大声で言っているのはからかうためだと

すぐ理解した。

も総司ならきっとわかるだろうと思い、総司だけを指名したのだ。

「じゃあ言うよー?雪降って−−−−・・・・・」

初句を言い始めたら予想通り、すぐに土方が部屋から飛び出してきての口を手で塞ごうとした。


その時、原田の「あ・・・」という声と共に白い丸い物体が飛んできた。

避けるとそのままその物体は土方の顔面にぶち当たった。

「・・・・・・・・」

全員土方に視線を向け黙りこんだ。





「・・・・・・・原田」





いつもより低い声で呼ばれ、原田は「はいっ!」と上擦った声で返事をし背筋を伸ばす。


「覚悟できてんだろうな?」


ゆっくり庭におり、雪と小石を掴み玉を作る。

「ちょ、ちょちょちょちょい待ち!石は反則だろ!?」

「もともと雪合戦に反則もなにもないだろ」

確かにその通りだと、原田は言い返す言葉が見つからないようだ。

そしてついには何を狂ったのか、攻撃は最大の防御とばかりに原田は雪を握り土方へ投げた。

先制攻撃を受けた土方は、それを合図と受け取り投げつけついに土方も参戦することとなった。

先ほどまで、ガキの遊びとけなしていたとは思えない力っぷりはおもわず苦笑いする。

「よーし!歳さんを集中攻撃だ!!」

総司のこの一言でも庭へ飛び出し、4対1の雪合戦が始まった。






優勢かと思いきや、意外に土方も粘り強く、自分たちが投げたのもことごとくかわされえる。

苛ついては土方のそばへよった。近くで投げたほうが命中率も上がるからだ。




しかしそれがいけなかった。

急に土方は走り出し近寄ってきた。

は慌てて3人のいる所へ踵を返すが一歩遅かったようだ。

後ろから抱きつかれ、引きずられていく。


「歳さん、人質取るなんて卑怯ですよ!」

「どっちが卑怯だよ。テメェらの方が4人でよっぽど卑怯じゃねぇか!」


ある程度距離を保ったところで、土方は立ち止まった。

3人がどう出るか見ているのだ。

3人はを盾にされては攻撃が出来なく困っているようだ。


「土方さん大人気ないですよ?」

振り向きながらが言うと、土方は怒る素振りを見せず、何故かニヤニヤ笑っている。

「なにニヤついてるんですか」

「いや、お前って本当ガキだなぁって。体温高すぎ、胸なさすぎ」

「っ何言い出してるんですか!?」

は顔を真っ赤にしながら言った。


よくよく考えてみれば、この状態、土方にしては、触りたい放題ではなかろうか。

そう思うと急に恥ずかしくなり、なんとか脱出を試みようともがいてみる。

だが、暴れるほど強く抱きしめられなすすべを失った。


「それにしても本当に温かいな。これから冬場はお前抱きしめながら寝るか」

「寝る!?」

「ついでに胸も大きくしてやるよ。俺結構上手いぜ?」

「遠慮しておきますっ!・・・・・ってどこ触ってるんですか!!」

「あ−−−っ!!土方さん何いいことしてるんだよ。俺も混ぜてくれよ」

「何言ってるんですか原田さん!を助けないと歳さんにくわれてしまいます!

って平助も何見入ってるんですか!」

「す、すいません」

土方のこの行動のせいでついに雪合戦は中断され、異様な修羅場とかしたのは言うまでもない。




  
                          完


あとがき
セクハラ入りマース!(笑)
土方さんですよ。自分、日野の土方歳三資料館行ちゃうくらい土方ファンです(静岡県民を舐めんなよ 爆
だからもったいなくて土方夢今まで書けなかったけどついにやったで自分!(先生ー、ここに変な人いまーす!
そういや総司と平助まただしちゃいました。やはり大河影響強ー!
そしてやはり今回も電車通学中に作成。東海大生マタデター!!(笑) 俳句が俳句じゃねぇー!ココニ俳句音痴イマース!自分の才能がある意味コワイ
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