文化際T







〜v」
「はいはい、わかったから離れなさい。」
いつも1日はこのようにしてはじまる。菊丸が抱きつきが動揺する。
ただ、毎日行われているためか。はなれてしまっていた。
「なんかさあ、最近冷たくにゃい?」
「気のせいでしょ。」
「いや、絶対冷たいにゃ。」
ため息をつきながら菊丸を引き離した。
「じゃあきっと英二のこの行動のせいじゃない?」
「えぇ〜!?俺なりのスキンシップなのに〜。」


「んなの要らんわ!!」


「はい、そこー!朝からコントしない!!」
担任の先生が教室に入ってきた。
「そんなに元気ならあなた達、文化祭実行委員決定!!」
「「ええええぇぇぇぇ〜!!!!!」」
2人して大きな声をあげながら立ち上がった。
「俺部活があるんだよ。」「私部活があるんだよ。」
またしても2人で大きな声をあげながら主張した。
「なんだよ。は幽霊部員だろ?」
「そっちだって部活を理由に逃げ出そうとしてるじゃん。」
「俺は正当な理由があっていってるんだよ。」
「そんなの理由にならん!」
も同じ理由言ってるじゃん。」
「私は特別なの。」
「なんだよそれ!」
先生は頭を抱えていた。いつもこのように2人は言い合いをしているからだ。
困った生徒を持った、と先生は考えていた。
この教室の様子を微笑ましく見ていた不二はそれに気づき、先生に助け舟を出してあげた。
「先生。僕がこの2人によーく言って実行委員やらせますから安心してください。」
2人は不二を睨みつけた。
「「不二いいぃぃぃぃぃ!!」」
不二はにこにこしながら2人の睨み攻撃をかわし、先生にSHRを続けてくださいと言った。


SHRは5分で終わり、その後。と菊丸は不二の席にズドズドと音を立てながら向かっていった。
「不二!俺やんないかんね。」
「右に同じ。」
「そんな怒ったような困ったような顔をしないで・・・」


「「あなたの発言が俺たち(私たち)を困らしているんだよ!!」」


必殺2人の息ぴったりsaid攻撃!!
おーっとだが不二周助は何事もなかったような顔をして微笑んでいる。
恐い!逆に恐いぞ不二周助!なぜいつも微笑んでいるんだ。目を開けろ(←関係なし)
「ああ、もういい!やるよ。やればいいんでしょ。英二、あんたも潔くあきらめてやるんだよ。」
「ああ〜もう、わかったよ。」
不二の笑顔に戦闘意欲もなくなりついにダウーン!
ただここまでひっぱいといて『潔く』というのはどうだろうか?
2人は不二のもとを去っていった。














―――――文化祭1週間前―――――――――



3−6の出し物は『お化け屋敷』だった。定番中の定番である。
みんな納得の意見だった。この2人を除いては・・・・・
「あー!!なんでお化け屋敷なんだよ。こんなの準備面倒じゃん。」
「そうだよ。なんでお化け屋敷かな。そんなにお化け屋敷がいいなら遊園地でも行ってこいだよ、まったく。」
「俺の中ではたこ焼き、やきそば、(シャキシャキ)かき氷、かき氷、かき氷・・・」
「かき氷ばっかじゃん。でも私も食べ物がよかったなぁ。」
「にゃ?やっぱそう思うよね。こういう少数意見を大切にしろって思うのにあのクラスのやつらときたら。」
はあ、っと2人ともため息ついていたらいきなり誰かに話しかけられた。
「ちゃんと手を動かさないと、間に合わなくなるよ。」
2人はキョロキョロしながら声の主を探した。その姿に声の主は笑い出した。
笑い声のするほうに顔を向けるとなんと木の上から教室を覗く不二がいた。
「うわっ不二!!あんたなんでそんなとこに・・・」
不二は窓から教室に入って椅子に座った。
「いや、なんか今日ってとても気持ちのいい日で、あそこで寝たらどんなに気持ちがいいだろう
って思って登ったらホントに気持ちよくって寝ちゃった。」


「「んなとこで寝るなよ!(ってか普通寝れない)」」


「え、でもみんなも普通寝る・・・」
「「寝ません。」」
こんなコントの嵐。
結局不二は2人の様子を見るためここにきたのだがそんなことこの2人は知らない。
だから本当にここで寝ていたのだと勘違いしていた。
「ねえ、さっきから言ってるんだけど手うごかさなくて良いの?」
「その前に不二、部活行かなくてもいいの?たださえそんなとこで昼寝してたっていうのに。
きっと手塚くんにグランド30周命令くだされるよ?」
「あ、それなら大丈夫だよ。」
「え、なんで?」
「え〜とねぇ、やっぱひ・み・つにしようかなぁ」
んだよそれ!!とツッコミたい気持ちもあったがはなんとか抑えた。
「不二もさあ、いるならいるで手伝ってくれよ。俺たちだけじゃあ絶対に間に合わない。」
「う〜ん。手伝ってあげても良いんだけど・・・それが人に物を頼む態度かなぁ?」


(・・・なんか無償に腹立つんですけど)


2人とも不二の態度に怒りを覚えた。だが怒ったって仕方がない。ここは大人になることにした。
「お、おねがいします。」
2人はひきつった顔をしながら頭を下げた。
そんなことをしなくても手伝ってあげるのにとか言い出した時には、オメエが言わせたんだろが(怒)
と殴りかかりそうになるを必死に抑えこむ菊丸がいた。












―――――文化祭3日前――――――――



死にそうになっていた。もうすでに衣装は出来ている、配役も決まっている、チラシも製作済み、
あとは配るだけでやることはだいたい終わっている・・・はずであった。
が、肝心のことを忘れていた。舞台道具である。なにも作っていなかった。
しかもお化け屋敷ということで大きな部屋(理科室)を借りていた。
しかもしかも、そんな時に限って菊丸がいなかった。
なんでも、ずっと部活に出ないわけにもいかないとかなんとか言って昨日から部活に復帰していた。
いくらなんでも3日のうちに1人だけで製作することはできない。
だからってクラスのみんなに今更『できていません』なんて言えるわけない。
最悪のシナリオが頭の中で出来あがっていた。なにがなんでもそれだけは避けなくてはいけない。
1人でもやらなくてはいけない。早速とりかかろうと手を伸ばしたが、どこから手につけていいのか
わからない。途方にくれていた。ため息もついた。
「ああ、もう誰か・・・誰でもいいから助けに来てよ。バカヤロー!!」
「ん?なに?来たけど。」


「はやっ!!」


教室の入口に不二が立っていた。
「え、だって今呼んだでしょ。だから来たんだよ。」
「確かに呼んだけど、こんなに早く来るなんてあんた何者?」
「え、ナマモノかな。」
「食い物の話かよ!違う漢字間違いだよ。何物じゃなくて、何者だよ。」
「ああ、じゃあ曲者かな。」
「ああ、納得かも。」(←納得しないで下さい)
「で、本題。どうしたの?」
「不二様、私どうしたらいいのでしょう。」
「わからない(にこっ)」
「まだ言ってません。」


―――説明中―――


「・・・というわけなんです。」
・・・あきらめてないよね。間に合わせようとしてるよね。」
「あたりまえじゃん。」
「ふふ、じゃあ手伝ってあげる。」
「へ?」
状況が把握できないのか、素っ頓狂な顔をしてしまった。
「そんな顔もするんだ。いつも怒ってるか笑ってるかどっちかなのに。1つ発見だね。」
――――神様、私は何か不二に発見されてしまいました。
もしかして、何か企みの発射なのか!!!!?(意味不明)
とりあえず、お願いすることにした。すんなり承諾してくれて反って恐かった。
いつも悪魔だと思っていたけど、今だけ天使に見えた。
とにかく、望みは見えてきたってことは確かだった。














――――文化祭1日前――――――――



「こんなもんかな。」
意外に早く出来た。理科室の構造を上手く利用しようとした不二の案のおかげであった。
不二は、部活もあって放課後手伝うことはできなかったが、部活後手伝ってくれた。
いつもなら下校時刻でも文化祭前とあって10時までのこることを許されていた。
ただし、帰り道は1人で帰らないことが前提で・・・
今日は文化祭1日前とあって、11時までいることが許されていた。
只今の時刻8時15分。まだ、不二の姿はみえない。
本当に信じられないと思った。つい2日前まで、どうしよう、どうしようとあたふたしていたのに。
「僕に感謝でしょ。」
いきなり話しかけられびっくりした。気づくと後ろに立っていた。
「不二、あんた心臓に悪いよ。さすが曲者。」
「はは、ごめん。でも、それくらい特権があってもいいよね。ここまでできたのも僕のおかげだし。」
「たいした自信家ね。ま、確かに不二のおかげかもしれないけど。」
「やけに素直だね。どうしたの?」
「ん、ちょっとね。」
は大きく伸びをしながら窓をあけた。
「ほら見て。とても星が綺麗じゃない?」
「あ、うん。そうだね。」
そう言い不二もの隣に並んで空を見上げた。
「・・・ここ最近さ、ずっと下ばかり向いていたから空なんて見てなかったけど、今日の
今この瞬間のさ、空が今まで見た空より何十倍も綺麗だと思う。」
「いいこと言うね。詩人になれるんじゃない。」
「やっぱりそう思う?」
「そっちもたいした自信家だね。」
「あたりまえじゃん。・・・・・ほんと、全部不二のせいかも。」
「なにそれ。」
「不二が前言ったじゃん。『あきらめてないよね』って。実はさ、あの時少し諦めモード
はいってたんだよ。諦めたくなかったのに現実は厳しいもんだから。でも、心は素直だね。
やる気まんまんだったもん。本当にあきらめなくてよかった。たまには、思うが侭、行動
してみようかなって思ったんだよ。不二のせいでね。」
「それって、悪いことじゃないでしょ。僕のせいと言うより僕のおかげにして欲しいなぁ。」
「え〜、どうしようかなぁ。」
は微笑みながら空をまた見つめた。



しばらく無言が続き、どこからか聞こえるトントンカンカンといった音が聞こえるだけだった。
そんな中突然思い出したように不二はに声をかけた。
「ねえ、お願1つ叶えてもらえないかな。」
「ん?なに?」
「明日は僕と文化祭回らない?」
「はへ?」
「だめ?」
「いや、いきなり言われたからどう返事したらよいものかわからないんですけど・・・」
「わかった。じゃあ明日の朝までに返事もらえる?それならいいでしょ?」
「あ〜、うん、わかった。じゃあ、帰ろっか。」
ここ3日間不二と帰っていた。家の方向も同じだったので玄関先まで送ってもらっていた。
でも今日は家の100メートル前の曲がり角で別れた。
いつもいつもいちいち送ってもらうのは悪いと思ったから、は遠慮したのだった。
別れた後家に向かい、玄関のところにさしかかった時いきなりそこに人が座り込んでいる人を発見した。


「どぅわっ!!英二!」
「あ、やっほー。」
「やっほー、じゃないよ。なんでこんなところに座り込んでんの?」
英二は何もしゃべらずを手招きした。どうしたんだろうと思って近寄ったら手を捕まれた。
「じゃあ行こう。」
そう言うと走り出した。
「行くってどこに!その前に荷物家に置かせろ!!」
その意見は聞き入れられなかった。









ついた先は近所の公園だった。
やっと菊丸の手から開放されたは本気で殴ったろか!!と思ったが、どうも菊丸の様子がおかしく
なんかくらい感じがしたので黙っといた。
だが、1分、3分、5分と時間がたってもいっこうに何も言う気配がなかったので
ため息をつきながらこちらからはなすことにした。
「どうしたの?いつもの元気ないじゃん。」
「・・・・・」
「なにか用があって私を連れ出したんでしょ。」
コクッと頷いた。
「・・・別に怒ってないよ私。反省さえしてくれれば。」
「なんでいいたいことわかったの?」
「やっぱり怒らせることしたんか!」
「な、ハメやがったな〜」
「あんたが何も言わんからでしょ!」
「そりゃ、・・・そうかもしんない、けど・・・。」
「言ってくれないとこっちだってどうしたらいいかわかんないよ。」
また菊丸は黙り出した。さっきとは少し違うみたいで、なにか決心をしているようだった。
でも、さっきと状況はかわっていないことは明確だった。

は菊丸の後ろに回りなんとなく抱き着いてみた。
みるみるうちに菊丸の顔が赤くなっていくのがわかった。はそれを見て笑い出した。
「なんなんだよ、突然。わけわかんない。」
「・・・・・・」
「・・・発情期?」


「違うわっ!!!!」


菊丸はいそいでの口を抑えて、静かに、と言った。
こんな夜に大声出すのは非常識だった。(←あたりまえです)
そんなやりとりに2人は笑い出してしまった。
「抱きつくの反則〜!俺の専売特許なんだかんね。」
「じゃあ沈黙は反則!それはあんたの専売特許じゃないでしょ。」
「わかってるよ。あ〜もうめんどいのやだ。言うよ。俺が悪かった。許してください。」
何かふっきれたようなやけくそのようなとにかく本気で自分が悪いことをしたということが
には感じられた。
「それは何についてあやまってるのでしょうか?」
「それは。が一番知ってるんじゃない?」
は考えたが何について謝ってるのかわからず、首を横に振った。
菊丸がしばらく黙ってそして文化祭のことと言うとあ〜といって納得した。
いままで菊丸がなぜ黙っていたかそして元気がなかったのかこれでつじつまがあった。
まあ普通の人だったらこういう態度になってしまうのはあたりまえだった。
相手に悪いと思う気持ちがあるからこそとってしまう行動。

はしょぼんとしている菊丸の頭をポンポンと叩いた。菊丸は何事かと目を丸くしていた。
「いつ気づいたの?」
「・・・昨日。不二を誘っても今日は用があるって言いながら学校の方に行くもんだから
何があるんだろうと思って悪いとは思ったけどあとつけたんだ。そしたら理科室に着いて中覗いたんだ。」
「それで私達が何をやっていたのかわかった。」
「うん・・・。ほんとうに悪いって思ってる。気づかなかった俺っておかしいよね。」
「そんなことはない。私だって気づいてなかったんだし・・・」
「優しいんだね。ここでこんなこと出すなんてちょっときたないとは思うけど言っとくね。」
菊丸は1枚の紙を出した。どうやらポスターらしい。
はそれを見て大声を出しそうになった。そのポスターは自分のクラスの文化祭宣伝ポスターだった。
全ての仕事が終わったら校内中に貼る予定だった。そう、予定だったのだ。実際は貼っていなかった。
貼るのを忘れていたのだった。かなり焦った。
「あ、明日朝一で行って貼れば・・・で、でも貼る場所だってもうなくなってるのがオチ・・・か。
いや、でも探せば貼る場所だって・・・だから時間がないんだよ。」
あーでもない、こーでもないとあたふたしているを見て菊丸はプッと吹き出した。
はそれに気づき、ぷーっと顔を吹くらませて怒った。メンゴメンゴといいつつ笑いをこらえた。
「もう大丈夫だよ。これすでに俺が貼っといたから。」
「へっ?」
「見なかった?靴箱んとこ全域に同じポスターがズラアアァァァっと並んでんの。」
「・・・・!!思い出した。なんでこんなに同じのが並んでんのかなぁ。
少しうざったいとか思った、あの!」
「うざったいって・・・・・。ま、でもそこまでインパクトがあるほうがいいっしょ。」
「うん、うんうん。本当だよ〜。ありがとう、英二。」
「お礼を言うのはこっちのほうだよ。ありがとう。」
「いいってことよ。ちゃんと不二にもお礼言うんだよ。」
「わかってるって。」


2人は公園の出口に向かった。そしてバイバイをしようとしたが、菊丸がちょっと待ってと言った。
「ん?どうしたの?」
「え〜っと明日なんだけど・・・一緒に行動してくんない?」
「ほっ?」
「駄目かにゃ?」
「え、え〜と。なんと申したらよいものか・・・」
「わかった。明日までに返事もらえる?」
「・・・う・・・ん。」
バイバイをすると菊丸は走って去っていった。
これはまたどうしたらよいものか。2人の異性からのお誘い、まさかこうなるとは
誰もが予想しなかったこと。どっちと行動したらいいか。










⇒やっぱり最初に誘ってくれた不二でしょ(ずっと手伝ってくれたし)

⇒気が凄く合う英二で決まり!!(わざわざ謝りに来てくれたし)

⇒2人とも大事な友達。選ぶなんてできないよ

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